「魚の骨」のハ長調

危機管理

私の仕事術に「魚の骨」というものがあります。

喉に引っかかった焼き魚の小骨のように、少しでも違和感を覚えた時は、念のための確認を惜しまない、というもの。

まさに、そのようなニュースを見つけました。

 

これは、姫路市の中学校に赴任した校長先生が、生徒の歌う校歌に違和感を覚えたもの。

ハ長調で歌われている校歌の「音域」が少し低いと感じました。

念のため調べてみたら…

元々はそれよりも長2度高いニ長調の曲だったのだそうです。

元記事にはYouTubeのリンクが貼ってあり、原調との聴き比べが可能です。

理屈はともかくニ長調の方がより明るくて、はるかに響きがよいです。

 

おそらく「魚の骨」の感覚を大切にしたのでは…という事例も見つけました。

国の給与実態調査において、退職金の平均額が全国3位となった館林市。

その報道に接し、自らのミスに気づいた、というもの。

退職者の人数を過少に入力したため、平均額が上昇した単純な入力ミスでした。

(全国3位であるはずがない…)

との違和感があったのでしょう。

 

そのこと自体はよいのですが、「虎の巻」的に申し上げれば、

「決裁の段階で係長や課長が違和感を抱くべきだった」

このことであります。

給与の実務を担当する方にとって、退職金の平均額が3千万円を超えるという状況は、当然「魚の骨」の感覚を覚えて然るべきことだと思うのです。

 

そう言えば、桁の違う源泉所得税の支出に対して、違和感を覚えることなく決裁し、結果的に市民に損害を与えた某自治体の例もありましたね。

ゴルゴ13的には、この事例の決裁ラインの方々は

「ギルティ…」

であります。

余計なことですけど。

 

*参考文献

生徒の校歌「音程が低い」赴任した中学校長、始業式で抱いた違和感 もとの楽譜を調べてみたら. 神戸新聞. 2024-04-05,神戸新聞 NEXT, https://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/202404/0017511004.shtml, (参照2024-04-09)

 

退職金全国3位」は誤り データ入力で単純ミス 「ダブルチェック務める」 群馬・館林市. 上毛新聞. 2024-04-09,上毛新聞電子版, https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/445470, (参照2024-04-10)

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