いつまでもどこまでも

議会答弁
写真提供:宮城県観光戦略課

課長ポストや部長ポストをいただくと、議員の方々の先進地視察の随行という大変ありがたい仕事を仰せつかることがあります。

新型コロナの影響でこの間中断されていますが、ノウハウの継承に向けて、一稿お届けします。

 

【卵が先か鶏が先か】

先ずは視察先の候補を見繕わなくてはなりません。

これは事務方の仕事です。

視察のテーマは議会側によって決められていますから、そのテーマに沿った先進地を全国各地から…

と考えるのは早計。

これは「卵が先か…」というお題なのです。

前述のアプローチを卵が先とすれば、

「実務的な正解は、鶏が先」

このことであります。

これ以上は、恐ろしくて文字に出来ません。

次長級以上の先輩の助言を仰ぐが吉と思います。

 

【いつまでもどこまでも】

随行役を仰せつかった方々は、夜の懇親会で何次会までお付き合いするか、という重要なテーマに直面することでしょう。

昔、上司に尋ねたら、そのお答えは…

「先生が行くと言ったらどこまでも行け」

このことであります。

二次会までで…などと大甘の考えを抱いていた私は、心底驚きました。

 

【視察旅行の夜】

近隣自治体と共同での視察旅行での出来事です。

事務局がセッティングした一次会が終わり、当然のように二次会へ。

何次会まであるか分からないので、ヘベレケにならぬようビール・日本酒をちびりちびり、水割りはひたすら薄めて、と気をつけました。

3軒目でビール・餃子・ラーメンの3点セットを片づけ、ホテルに戻ったのは午前零時過ぎ。

やれやれ…と思っていると、「上にラウンジがあるからもう1軒行くぞ」とのお言葉。

ここで上司の言葉を思い出し、私は素直に「はい、分かりました」と返答。

上手いことやったのは近隣自治体の課長さん。

「私…明日もありますものですから…」などと言って自分の部屋に戻ってしまいました。

 

自分もそうすればよかった…と後悔しつつ、薄めの水割りを舐め、くっつきそうな瞼を一生懸命開けていたものです。

午前2時近く…ようやくお開きとなりました。

明日も朝から日程があるので、さっさとベッドに潜り込もう…と思っていると。

同じフロアの別室のドアをドンドンと叩く音。「おい起きろ!」という声も聞こえてきます…

2時間ほど前に「上手いことやった」課長さんの部屋のドアを叩く、近隣自治体の議員さんのお声なのでありました。

その先、課長さんがどのような運命を辿ったのかは存じ上げません…

 

感染の再拡大が心配される状況ですから、あるいは、懇親会そのものは引き続き自粛ということになるのかもしれません。

しかし、いずれコロナは終息し、コロナ以前の状況に戻ることは必定であります。

その明るい未来に備え、私から皆さんに差し上げる言葉は一つ。

昭和40年代のGSブームにおけるヒット曲。

ザ・サベージの「いつまでもいつまでも」。

まさに、このことでありましょう。

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