お詫びの流儀

危機管理

高島屋のクリスマスケーキ事案。マスコミで大きく取り上げられました。

お客さまへのお詫びのあり方として参考になる事例だと思います。

 

これは、高島屋が販売した冷凍クリスマスケーキの中にケーキが大きく崩れた状態で届けられたものがあったというもの。

約2900個販売し、そのうち約800個に破損があったのだそうです。

対応を誤るとブランドイメージを大きく損ないかねない重大な事故でした。

 

しかし、高島屋の対応は迅速でした。

事案が発覚するや直ちにホームページにお詫びを掲載し、問い合わせ窓口を設置します。

崩れたケーキの写真が衝撃的だったこともあり、マスコミが連日報じましたが、大きく炎上することは無かったように思います。

 

本件のポイントの一つは、

「顧客目線で対応した」

このことです。

購入者全員への電話連絡を行い、返金や代替品の提供など丁寧な対応を心掛けました。

ケーキを食べてしまった方や証明する写真が無いという方に対しても、原則として返金する方針を打ち出すなど、お客さま目線で柔軟に対応したと思います。

 

しかし、最大のポイントは、

「言い訳しなかった」

このことでありましょう。

本件には、監修者、製造委託先、配送委託先も関わっていますが、

「本件に関する責任は全て弊社にございます」

と明言する姿勢も素晴らしかった。

 

評価が微妙なのは、「ピンポイントでの原因特定は不可能」と早々に結論を出したこと。

このことについては、肩透かしをくらったような印象があります。

後追い報道も総じて不満気味ですが、本稿執筆時点(2023/12/31)では、原因を特定しないのは無責任だ、と声高に訴える記事も見当たりません。

 

これは、高島屋の作戦なのかもしれませんね。

原因特定については、当事者が、かくかくしかじかの理由で不可能、と断言してしまえば、余程のことが無い限り、これを外野が覆すことは難しいでしょう。

年内に区切りをつけてしまえば、年末年始の期間を挟み、早期の火消しを期待出来るかもしれません。

世の中の関心は移ろいやすいものですから。

 

年が明けて、本件がどのような経過を辿るのか。

個人的には、火消しが成功するような気がしていますが、さてどうでしょう?

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