再審で無罪となった袴田さんに対する検察のコメントが不評です。
「お詫びの流儀」として考察しました。
これは、検事総長の談話として公表されたもので、無罪判決について
“多くの問題を含む到底承服できないもの”
とした上で、
“長期間にわたり法的地位が不安定な状況に置かれてきた”
ことに鑑み、控訴を断念した、というもの。
負け惜しみ、捨て台詞、などといった言葉が頭に浮かびます。
法に則って仕事をしているのですから、司法の判断には素直に従うべきです。
「承服できない」のであれば、きちんと争えばよいだけ。
控訴しない、控訴できないのですから完敗なのであります。
その点、静岡県警の謝罪は極めて誠実でした。
本部長が直接面談し、姿勢を正して、“申し訳ありませんでした”と頭を下げます。
これに対して、袴田さんのお姉さんも、
“誠心誠意、謝っていただいた”
と受け止めています。
静岡県警の謝罪があって以降、検事総長談話への批判はさらに強まり、「炎上」状態にあるのだそうです。
週刊誌やワイドショーなどの記事を拝見すると、検察には検察のお考えなり、ご事情はあるようですが。
結果を見れば、検察という組織に対する信用や好感度が下がりこそすれ、上がることはない、と思いました。
かねて、お詫び会見では「言い訳しない方がE訳」と申し上げてきましたが、まさにそれを地で行く事例だな、とつくづく感じましたー
*参考文献
袴田さん無罪、検察が控訴断念発表 「捏造には不満」異例の総長談話. 朝日新聞. 2024-10-08,朝日新聞デジタル, https://www.asahi.com/articles/ASSB80Q6NSB8UTIL01CM.html, (参照2024-10-24)
袴田巌さんに静岡県警本部長が謝罪「58年間、ご心労ご負担を」. 朝日新聞. 2024-10-21,朝日新聞デジタル, https://www.asahi.com/articles/ASSBP12F5SBPUTPB00MM.html, (参照2024-10-24)