お詫びの流儀@フジテレビ

危機管理

フジテレビ社長の記者会見が不評です。

一体どこがよくなかったのでしょう?

 

【閉め出し会見としてしまった】

今回の会見では、NHKや民放他社は「オブザーバー参加」とされ、記者1名のみの出席かつテレビカメラ無し、という対応でした。

フリーランス、週刊誌、インターネットメディアなどの記者に至っては、完全に閉め出されています。

フジテレビの理屈は、当該記者会見は、記者クラブ側の要請により、毎月行われる定例記者会見を前倒ししたものであり、普段の定例記者会見のルールに従い、記者クラブ加盟社のみ、テレビカメラなし、とした、というもの。

しかし、これは「悪手」です。

 

「定例記者会見に過ぎません」とのへ理屈は、同時に「件の事案に対して、当社として特段会見を開いてお知らせすることはありません」と天下泰平に向けて発信することと表裏の関係にあるからです。

挙句、記者クラブの要請であるはずが、当の記者クラブ側から「オープンな形での開催をお願いしていた」と暴露されてしまいます。

 

【情報を出さなかった】

不評のもう一つは、様々な疑問に何一つ答えなかったこと。

「回答を控える」「調査委員会の調査に委ねる」

のオンパレードでした。

 

結局何が残ったのか、というと、

「今回のトラブルについて発生直後の2023年6月に把握していた」

というコメントのみ。

「この一年半、何をしていたのか?」

との疑念を呼び込むだけとなりました。

お詫び会見のあり方としては最悪の形です。

 

もしも、私がこの記者会見に携わる立場にいたならば、「把握していた」とのコメントを封印する案を出したと思います。

もちろん、私の第一案は、「お答えできることは全てお答えする」でありますが。

組織の方針として、「今回は、「調査委員会に委ねる」の一本やりで行く」と決まってしまったならば、という前提でのお話です。

こういう場合は、「毒を食らわば皿まで」だと思うのです。

 

自治体のお詫び会見で、フジテレビと同じような「離れ業」が可能とは思いませんが、

「ちゃんとお詫びしないとどうなるか?」

という意味では、参考になる事例ではあるような気がします。

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