お詫び会見におけるリスクヘッジ

危機管理

フジテレビが設置した第三者委員会の調査報告書にざっと目を通しました。

委員会による事実認定は、フジテレビにとってギャラクティカマグナム級の打撃です。

2回目の記者会見での強気な対応がダメージを倍増させているように思いました。

 

それは、この問題の核心部分に関する認識です。

2回目の会見での説明は次のとおりでした。

  • トラブルの発端となった食事会そのものに社員は関与していない。
  • 女性に声をかけて中居氏の所有するマンションでバーベキューに参加したことがあったものの、トラブルの発端となった食事会はこのバーベキューの延長線上にはない。

その後、文春が記事を訂正したこともあり、清水賢治社長は「あらゆる選択肢を検討」などと「反撃」の姿勢すら見せていました。

 

しかし、第三者委員会による事実認定は文春の報道に沿ったもの…

かねて、お詫び会見において組織としてしっかりと議論すべきは、

「後になって不都合な事実が判明するリスクがあるのか無いのか」

とお伝えしていました。

フジテレビには、今回認定された「不都合な事実」を予見することは不可能だったのでしょうか?

 

第三者委員会の調査報告書を読むと、客観的にはリスクとして予見することが十分に可能であったと思います。

しかし、組織のトップは、この件を「プライベートな問題」として捉えていたため、「業務の延長線上にある可能性」をリスクとして扱うことが出来ませんでした。

この点、後任の社長も同じ認識でいたことは、当時、「あらゆる選択肢を検討」などと強気の言葉を口にしていたことから明らかです。

 

でも、大の大人が揃いも揃って、こんなに大甘の判断をするものなのでしょうか?

2回目の記者会見の想定問答を何人の社員で検討したのか分かりませんけど。

食事会とバーベキューに因果関係がない、と断ずるのであれば、相応の裏付けが必要です。

「万一違う線が出た時は深刻なダメージを受けますよ」

「本当にこの戦略で大丈夫でしょうか?」

などといった意見は出なかったのでしょうか????

私には、そこが不思議でなりません。

 

お詫び会見において、「事実関係」の説明は極めて重要です。

他山の石とすべき事例として肝に銘ずるが吉と思います。

 

【どうでもE話】

「ギャラクティカマグナム」とは車田正美の初期の代表作「リングにかけろ」に登場する必殺ブロー。

変電所での特訓を経て「天才・剣崎」が身につけた技ですが、右のブローであること以外の詳細は明らかになっていません。

必ず見開きで描かれ、「BAKOOOOOM」という効果音が添えられているので、かなり強力なパンチだとは思います。

何しろ、初登場の際は、対戦相手が建物の外にぶっ飛ばされていますから…

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