「今後はダブルチェックを徹底します!」と耳にすることが多い今日この頃、皆さま如何お過ごしでしょうか。
お役に立ちそうな情報を仕入れましたので、お届けいたします。
今回のネタ本は、「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」(飯野謙次著)。
「失敗学会」というNPOの副会長を務めておられる方の著作です。
ダブルチェックについて、この方が具体に提案しているのが、
“二人目のチェック者は、チェックリストを逆さまに持ってやる”
という方法。どういうことでしょう?
著者は、
“一人が見誤りやすいポイントは次の人も見誤りやすい”
とした上で、チェックリストを逆さまにすることで見る方向が変わり、
“一人目が見逃した、あるいは錯覚した間違いを二人目が捕まえる可能性は、格段に高くなります”
と説きます。
これは、印刷物の校正作業において、校正用の原本を違う角度からチェックしてみる、ということと似た話かな、と受け止めました。
“ダブルチェックの本質は「同じ確認を二度」ではない”
とありましたが、まさに至言と思いました。
数字の入力においては、「入力後に折れ線グラフにしてみる」との提案も面白かったです。
Excelだと簡単に作れるのだそうです。
可視化することによってミスが見つかる場合がある、ということですね。
ある自治体で、水道使用量のシステムへの取り込みの際に「桁違い」のミスがあり、8879万円を過大に請求・収納した、という事案がありました。リンク(埼玉新聞)
この事案など、折れ線グラフ化によるチェック工程があれば未然に防止できたように思います。
「チェックリストの作成においてはアメリカ型を」との話も分かりやすかった。例えば、日本の場合は、
・水温が適正であることを確認する
というチェックリストを作りがちですが、著者の経験だとアメリカの場合は、
・水温は〇℃より低くない
・水温は△℃を超えていない
という形でリストを作成するのだそうです。
チェック項目が増えるというデメリットはありますが、より確実に誰でも間違い無くチェックできるのは後者のスタイルだと私も感じました。
*参考文献
飯野謙次「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」(2017)文響社(Kindle版)