ある自治体で事務処理のミスが発生。
国の制度に基づく給付金の過払いでした。リンク(NHK NEWS WEB)
失敗を糧とすべく思考してみました。
記者発表資料によると、事案は振り込みデータを二重登録したことにより発生しました。
パターンが2つあり、職員が手入力する際に二重登録したケースと、市民からの申請が二重にあったものの重複をチェック出来なかったケースとに分かれます。
さて、この話の「根っこ」はどこにあるのでしょうか?
記者発表資料には、「二重登録のデータがないか等の確認作業を徹底する」とあります。
対症療法的には、このような話になるのでしょうし、確認作業が十分でなかったことが原因の一つではあります。
でも、本当の「根っこ」は違うと思うのです。
虎の巻のテクニックである「逆さま思考」で考えてみましょう。
何故に二重登録が発生するのか。それは、
「二重登録が可能なシステムになっているから」
このことだと思います。
今回の給付金の支給には3つの区分があるのだそうですが、同一の申請者に対して、本来はそのうち1つの区分しか適用されないはず。
また、支給も1回限りのはずですから、振り込みデータに同一の申請者が複数存在する場合は、過去の支給分のデータも含めてチェックがかかり、エラー表示が出るようにシステムを構築すべきだったように思います。
私の実務経験に照らすと、システム開発や改修などは、予算面の制約もありますが、ヒューマンリソースを確保する点においてハードルが高い。
おそらく、今回のケースも何かしらの事情があり、確認作業の徹底というアナログな手段に頼らざるを得ないのでしょう。
ですが、時代はデラックス、いやDXであります。
チェックをより確実にするという意味からも、この点の検討が前向きに進むとよいな、と外野は思います。