最近のニュースで一番ヒットしたのは、カンボジア特殊詐欺拠点に関する報道。
29人もの日本人がかけ子をしていた疑いで逮捕されたものです。
この詐欺グループの「新人教育」のやり方には驚かされました。
それは、①マニュアルを全て暗記させる、②「営業」終了後に録音した通話内容などを基に反省会を開催する、というもの。
不謹慎とのお叱りをいただくかもしれませんが、実に考えられた対応です。
特に②については、官民を問わず、仕事のスキルを向上させる上で、確実に機能すると感じました。
「人の振り見て我が振り直せ」ということです。
例えば、自治体の窓口業務での接遇のあり方について。
個々の窓口における対応の様子をビデオで撮影し、後日、全職員で反省会を開催する。
良かった点、悪かった点について率直に意見交換し、互いにスキルを高めあう。
あるいは、予算・決算の委員会における答弁について。
委員会終了後にビデオを視聴しながら、自分の答弁のやり方と比較し、他の課長の答弁のいいとこ取りをしていく。
厳しめの追加質問があった場合などの対応について、具体に学んでいく。
「頭の体操」としてちょっと考えてみただけでも、効果抜群と直感します。
もちろん、こうした取り組みは、ビデオの視聴時間×1.3倍くらいの拘束時間が発生します。
行革×行革でギリギリの状況にある自治体の現場で、直ちに導入することは難しいかもしれません。
でも、もしも実践出来たなら絶対に効果が出る、とは強く思いました。
多分…ということでしか申し上げられませんが、民間事業者においても、ここまで徹底した「新人教育」はやっていないのではないでしょうか?
詳細なマニュアルや分かりやすいビデオ教材などは用意してあるかもしれませんけど、新人一人ひとりに対して、一日の仕事を振り返り、職場全体でフォローしていく、というアプローチです。
コスト面で折り合いがつくとは思えません。
特殊詐欺グループの皆さんのこうした「努力」には、正直感心させられました。
でも、その努力を正しいベクトルで頑張ることが出来たなら、違った未来があったのかもしれないな、とも感じましたー