公私の閾値パートⅡ

不正な行為
写真提供:宮城県観光戦略課

宮城県内の公立学校の教職員が、授業などで使用する物品を購入する際、個人のクレジットカードなどで立て替え払いして私的にポイントを取得していた、との事案が報道されました。

これは河北新報社が開示請求を行った結果、判明したもの。

秋田市を除く、東北地方の他の県庁所在市にも同様に請求しましたが、宮城県だけにそうした事例があった、とのことです。

 

購入費の財源は、児童・生徒の保護者から徴収したお金。「学校徴収金」というのだそうです。

自治体の公会計を通さず、学校ごとに管理されています。

環境局長時代の経験で申し上げると、全国都市清掃会議東北地区協議会という団体がありまして、加盟している団体からの会費で運営が行われていました。

この団体の会費の入金や経費の支出は、公会計を通さず、環境局が管理する通帳から入出金していました。

これと似たような図式の話かな、と受け止めました。

 

報道によると、仙台市以外の公立学校には、私的なポイント取得を禁じたマニュアルがあるそうです。

今回明らかになったケースは、マニュアルを守らなかった、ということになりますね。

中には、ポイントの私的取得が露見しないよう、レシートの獲得ポイントの部分を切り取った疑いのある事例も複数あるとのこと。

ゴルゴ13ならば「ギルティ…」と呟くこと間違いなし、と思います。

 

奇妙なのは、仙台市以外の市町村ではこうした実態が把握され、一応マニュアルが整備されていたにも関わらず、仙台市においては明確なルールが無い状態であったこと。

自治体間での情報共有などは無かったのでしょうか?

市民目線で考えると、何だかなぁ…という感じ。

いかにも縦割り、と映ります。

 

そもそも、この話は、明確なルールが無いから…という性質のことではありません。

そんなものが無くても、「公私の閾値」は厳然とはっきりしているのです。

公会計を通さないとはいえ、授業や部活動で使用する物品を購入するという行為は、明確な公務です。

「公」の行為に「私」のクレジットカードを介在させる時点でアウト。

それこそが、公務員としてのあるべき感覚でありましょう。

 

この件の「話の根っこ」は、ルール作りやマニュアルの徹底などではないのだがな…

と感ずるのは、私だけでありましょうか?

 

*参考文献

宮城県内の教職員、ポイント私物化248件 授業や部活動で使う物品の立て替え払いで不適正取得 「横領のようなもの」指摘も. 河北新報. 20234-02-04,河北新報オンライン, https://kahoku.news/articles/20240203khn000038.html, (参照2024-02-05)

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