口は禍の…

危機管理
牛…丼ではなく牛タン 写真提供:宮城県観光戦略課

吉野家元常務の不適切な発言については、あちらこちらで語り尽くされた感もありますが、「仕事の虎の巻」の視点から1点お伝えしたいと思います。

 

【火消しの重要性】

この手の案件では、いかに早期に事態を鎮静化させるかが危機管理の観点からは重要になってきます。

いわゆる「火消し」ですね。

私が知る限り、一番見事だったのは大阪市長時代の橋本徹氏の対応。

「文春砲」で女性スキャンダルを暴露されたものの、事実関係を概ね認めた上で、弁解がましい言葉を口にしませんでした。当時は、

「潔い」

とのコメントすらあったと記憶します。

報じられたスキャンダル自体は見習うべきではありませんが、事案発覚後のこの対応には学ぶべき点が多い、と虚心坦懐に感じ入りました。

 

【火消しのはずが…】

今回の事案では、元常務の発言が騒動になると、会社が本人の謝罪コメントを出しました。

ここまではよかったのですが…

肝心のコメントが実によくなかった。

曰く「わかりやすい表現で問いかけたく過激な言葉となりました」というもの。

 

拙著「公務員 仕事の虎の巻Ⅲ」の「言い訳E訳」(本文1.2)にも書きましたが、

 

「謝る時には、絶対に言い訳しない」

 

このことであります。

結果として、このコメントは「火に油」となってしまいました。

本人が勝手に出してしまったのならともかく、会社を通じて出すのであれば、もう少し何とか出来たような気がします。

 

自治体であれ民間会社であれ、お詫び会見の類は一定避け難いところがあります。

 

「官民を問わず事例の蓄積に努め、組織としての経験値を増やすが吉」

 

まさに、このことでありましょう。

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