羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突した事故。
日航機の乗客乗員379名全員が無事に脱出し、「18分の奇跡」と称賛されました。
着陸から脱出までの一部始終を撮影した動画を観ました。
「荷物は持たないで」
「大丈夫落ち着いて」
「鼻と口を覆って姿勢を低くしてください」
と強い口調で何度も呼びかけ、乗客がパニックに陥らないよう懸命に取り組んだ様子がよく分かります。
今回の「奇跡」の第一の要因として、パニックコントロールに成功したことが指摘されています。
この事故ではエンジンが炎上しており、どの非常口が安全か確認することも重要でした。
インターフォンシステムが使えないというトラブルの中、チーフが持ち場を移動して翼付近の火災の状況を確認。
機長に口頭で状況を伝え、前方2か所の非常口からの脱出開始へとつなげました。
全部で8つあった非常口のうち、今回使用できたのはあと1つだけ。
機体最後尾左側のドアでしたが、インターフォンシステムがダウンして機長の指示が受けられません。
大変難しい状況でしたが、乗務員の判断でこのドアを開け、多くの方が脱出することが出来ました。
日本航空のマニュアルには緊急脱出に際しての5つの手順が記載されています。
①衝撃から身を守る
②パニックコントロールを行う
③機体周辺の状況を確認する
④パイロットなど乗務員と連携を取る
⑤乗客を非常口に誘導する
状況を振り返ると、実に基本に忠実に対応していたことが分かります。
機長の指示が受けられない場合に乗務員の判断で非常口を開けるのもマニュアル通りです。
「基本は裏切らない」
まさに、このことでありましょう。
自治体の仕事においても、これは同様なのだと思います。
能登半島地震を踏まえての災害対応マニュアルの再確認もよいでしょうし、窓口業務における留意事項のおさらいもよいでしょう。
こうした日頃の努力は絶対に裏切らない。
私はそう思っています。