宵越しの銭

不適切な事務処理
写真提供:宮城県観光戦略課

ある自治体の金庫に保管された公金102万円。

金曜日に保管したはずのお金を週明けの朝に確認したら、金庫の中から消え失せてしまった…という事案がありました。リンク(NHK NEWS WEB)

これは怪人二十面相の仕業に違いありません。

 

公金に関しては「宵越しの銭」は持ちたくないものですが、イベントの参加料など現金の収受を伴う業務を全廃する訳にもいきません。

世の中の通貨が全てデジタル化されない限りにおいては一定不可避のお話だと思います。

虎の巻的に「他山の石活動」をやってみました。

 

私の現在の職場は、ある公益財団法人。

公の施設の使用料やイベントの受講料など現金を扱う業務が少なからずあります。

事案の報道を受けて、早速職場で再点検を実施しました。

と言っても、「ちゃんとやっとけよー」と通知文を発出するなどという、多くの自治体で行われる安易な方法ではありません。

各課長さんから具体の状況を聞き取り、危ういと思われる部分についてダメ出しする、というアプローチです。

すると…

 

やはり、改善点をいくつか発見しました。

セキュリティに関わることなので詳細は控えますが、金庫の施錠に関することでした。

早速改善策を立案し、担当部署で検討・実行していただく整理としました。

 

もう1点。イベントの参加料の徴収における不正防止。

職員を信頼していることはもちろんですが、不正防止の仕組みとしては、一定性悪説に立った視点も必要だと考えました。

現行は、常に複数の職員が徴収業務に携わることとしていますが、参加人数と金額の突合について、課長、係長がしっかりと現認することを改めて申し合わせました。

失敗事例を糧とするか否かは、その後の具体の対応次第であり、通知文を1枚発出してお仕舞い、という姿勢では永久に事務改善は期待できないと思います。

 

もしも、世の中の通貨が全てデジタル化されたなら…

あるいは、こうしたアナログな管理手法は不要になるのかもしれません。

でも、今度はサイバーテロを心配しなくてはいけなくなりますかね。

国庫のデジタル通貨がハッキングで全て強奪されてしまった!

などという未来が訪れないことを願うばかりです。

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