自治体職員にとって首長はお仕えし、お支えすべき存在です。
しかし、申し上げるべき時には、きちんと意見具申することも必要かな、と思っています。
北國新聞デジタルに興味深い記事が載っていました。リンク
8月上旬の記録的豪雨に見舞われた自治体の首長が、前日より登山。終日不在となったことに議会で厳しいご指摘を頂戴した、という内容です。
記事には、“雨予報は前から出ていた。政治は結果が全てであり、危機管理がなっていないと言わざるを得ない”との職員のコメントもありました。
この登山は、日本三霊山の一つである白山のPRのため首長自身が登山することとしたもの。
マスコミの同行取材を募る形で企画されたのだそうです。
首長の「素顔」が伺えるかも、との期待もあったのか、相応の応募があったと言います。
巷間、雨の予報が出ていたのだから首長は登山中止を決断すべきだった、との批判を目にします。
一方、登山の前日や当日朝の時点では、災害級の大雨が降るとまでは考えにくかった様子も伝えられています。リンク(朝日新聞デジタル)
後出しじゃんけんで申し上げれば、事務方として登山の中止を意見具申出来たのは、登山開始後に天候が悪化した時がせいぜいのような気がします。
「安全第一で考えて、この地点で中断して引き返す選択肢もありますが、いかがなさいますか?」
くらいの物言いが関の山かなぁ。
反対に、断固反対すべきだった、と感ずるのは翌朝の下山行動。
当時のニュース映像を見ても、身の危険を感じるほどの大雨が降り続いていました。
ご本人的には、失敗を取り返すべく、かつての必殺技を炸裂させるような思いもあったのかもしれません。
しかし、安全第一での避難行動を住民に対して呼びかけている最中なのです。
私なら、断固、下山に反対したと思います。おそらく当該自治体の同行職員もそのように意見具申なさったのでしょうが。
その後の報道を見ると、首長自身深く反省の意を表していますが、この方の意識は中止判断のタイミングに向かっているように感じます。
真の反省点は違うところにあるのだがな、と、かつてのプロレス小僧はリングサイド席から呟くのでありました。
おやじネタについてのささやかな解説
【ノーザンライト・スープレックス】
とはプロレスラー・馳浩が凱旋帰国した当時のオリジナルホールド。
相手レスラーを正面からクラッチし、鮮やかな弧を描いて後方に反り投げ。そのままブリッジを固めて3カウント!という実に美しい技だったのです。