生成AIのすぐ先(その2)

その他
写真提供:宮城県観光戦略課

「生成AIのすぐ先」の項目で心配していたことが、早くも現実のものとなりました。

パブコメへの生成AIの使用です。

 

これは、仙台市が導入しようとしている宿泊税のパブリックコメントでの出来事。

寄せられた意見の2割において、生成AIの使用が推察される状況なのだそうです。

市役所側では“賛否を多数決で決めるものではない”とコメント。

識者の先生は、“AIだからと特別視することなく、他の意見と同様に扱うべき”と述べておられますが、さてどうでしょう?

 

「パブコメは多数決ではない」とするロジックは諸刃の剣です。

このスタンスを突き詰めると、「パブコメでは賛成のご意見が〇%あった」などといった調子の論陣を張ることが出来なくなってしまいます。

先の議会における敬老乗車証に関する答弁を思い出せば、ダブルスタンダードと突っ込まれてしまうかもしれません。

 

「他の意見と同様に」とのコメントは性善説を前提とするものだな、と感じました。

でも、現実世界は必ずしもそうではありません。

99%は性善説で成り立つかもしれませんが、少数ながら確実に性悪説で対処しなければならない輩もいるのです。

生成AIの使用は、そうした場合、恐ろしいほどの威力を発揮する。

今回の事例は、その一端を見せつけたものだと思うのです。

 

もう一つ、私が心配するのは、

「生成AIへの成りすまし」

このことであります。

ネットの世界には色々な人がいます。

わざと生成AIっぽい文章や画像をこしらえて、世の中の反応を楽しむ輩も現れるのでは…などと私は考えています。

ルール作りを急いだ方がよいと思いますがね…

 

*参考文献

パブコメにも生成AIの波? 仙台市宿泊税では全体の2割か 職員「除外はできない…」. 河北新報. 2024-04-16,河北新報オンライン, https://kahoku.news/articles/20240415khn000040.html, (参照2024-04-17)

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