究極の二択

不正な行為
写真提供:宮城県観光戦略課

不正な行為に至らぬためにも「心の中に天秤を」とかねてより申し上げてきました。

でも、究極の二択を迫られたらどうすればいいでしょうか?

 

石垣市長が、議会の不信任議決を受けて自動失職した、との報道がありました。

これは、出納整理期間が過ぎてから、令和6年度の国民健康保険特別会計の赤字に気づき、日付をさかのぼる形で決裁文書を作成・処理し、議案として提出した、というお話が背景にあります。

議案の説明に係る常任委員会においても「5月30日に、祭りの会場で市長に印を押してもらった」と虚偽の答弁をしてしまいました。

 

市のホームページによると、「法令上、赤字は違法状態となる」ことから、「赤字状態を解消することを最優先するため、5月30日に繰上充用の専決処分を行ったものとして、その専決処分の承認を求める議案を石垣市議会6月定例会へ上程」した、とありました。

 

さて、この場合、「心の中の天秤」には何と何が乗っていたのでしょうか?

片方にあったのは「違法状態」でありましょう。

国保の実務を経験していないので、詳しいことは分かりませんが、一般会計からの繰入金には法定されたものと法定外のものとがあり、前者については、事務処理を怠れば「違法状態」となるのでしょう。

 

「違法状態の解消」のための事務処理。

何となく大義名分がありそうにも思えてしまいます。

実際、石垣市役所の方々は、そう判断してしまいました。

でも、日付をさかのぼって公文書を作成する、という行為が一体何なのか。

一旦立ち止まって「言語化」してみればよかったのに、と外野は思います。

 

私の感覚では、これは「事実の改ざん」であり、「虚偽の説明」でもあります。

「違法状態」VS「事実の改ざん」

何だか、ゴジラ対ガメラみたいな二択になってしまいますが、私の場合、

「嘘はダメよ」

というマイルールがあるので、「事実の改ざん」の方がより重い、と考えます。

違法状態については、正直に状況を明らかにし、いたたくべきお叱りをいただくだけのこと。

 

この事案は、一見すると究極の二択のように思えてしまいますが、

「やらかしてしまったことを、やらかさなかったことに出来るか否か」

という単純なYES-NOクエスチョンだったのだと思います。

覆水は盆に返りません。皆さん、どうぞ「他山の石」としてください。

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