ちょっと気の毒だな…と感ずるニュースを見つけました。
会津若松市で、職員の健康診断を担当する職員が、業務多忙のため、健康診断の契約手続きを怠り、約310万円を個人的に立て替えていた、という事案です。
以前、お伝えしたとおり「公私の閾値は1円」であり、仕事に対して私財を1円たりとも投じてはなりませんが…
この方は、職員の健康相談も担当しており、新型コロナの相談への対応に忙殺されていたのだそうです。
気の毒だな、と私が感ずるのは、組織としてフォローのしようがあったような気がするから。
健康診断は例年の業務なのですから、契約手続きを怠ったのであれば、どこかで他の誰かが気が付いてもよかった。
これは補助金の手続きを失念してしまった事例などと同じで、事務決裁のラインにいる誰かが本来はチェックすべき話なのです。
担当職員の繁忙ぶりを見て、周囲が声がけすることも出来たでしょうし。
反対に、担当者の方から、早めにSOSを出すこともあり得たことでしょう。
もちろん、これらは全て「後出しじゃんけん」で申し上げていること。
当該自治体の具体の状況までは分かりません。
でも、「他山の石」として考えるならば、こうした気の毒な状況を生み出さないよう、日頃からの組織風土のあり方を考える素材とするのがよいと思います。
やはり、部下が仕事で苦しい思いをしている時に素直にギブアップ出来る関係づくりが大切なのだな、と自戒の意味を含め、感じました。
本事案の救いは、担当部署のコメント。
組織として担当職員へのサポートが足りなかったことを率直に述べていました。
変な言い訳が無くて、その点では安堵いたしました。
*参考文献
契約手続き怠り、市職員が自腹で310万円支払い「発覚怖かった」. 朝日新聞.2023-09-05,朝日新聞デジタル,https://www.asahi.com/articles/ASR953HZSR94UGTB00C.html?iref=comtop_7_03,(参照2023-09-05).