東日本大震災から12年。
仙台市役所でも当時の経験や教訓を後輩の職員に語り継ぐ活動が行われています。
仕事の虎の巻の視点から考えてみました。
民間の方々における取り組みを含め、こうした継承活動はとても大切だと思っています。
先日も、若林消防署で開催された伝承研修会の様子がニュースで流れましたが、「訓練は裏切らない」とのお言葉は実に重みがあり、私の胸に深く刺さりました。
ただ、個人の経験や教訓を語り継ぐというスタイルにはいつか限界が来るのでは、とも感じます。
大震災の記憶と教訓の継承は、それこそ100年スパンで考えていくべき事柄だからです。
そろそろ、語り継ぐことのできる方々がいなくなった先のことを考え始める時期ではないでしょうか。
記録誌がある。マニュアルがある。
とお考えの方もおられましょうが、震災対応に当たった当事者が口にする経験や教訓に勝るものとは思われません。
50年先、100年先の仙台市役所職員がリアリティを持って、大震災の何たるかを学ぶには…
私は、当時の経験を語る映像資料をアーカイブ化していくべきでは、と感じます。
イメージとしては、テレビ局が制作するドキュメンタリーに近いものでしょうか。
多少予算が必要かもしれませんが、しっかりとした物を系統的に制作し、悉皆的な研修の素材として組織的に活用していくとよいような気がします。
伝承研修が効果的であることは、冒頭取り上げた若林消防署の事例でも顕著です。
インタビューに答える受講者の真剣な表情が物語っていたと思います。
組織的な取り組みとして、永続的に実施可能となるような仕組みづくりが求められているのでは、と感ずるこの頃です。