ボクシング漫画の名作「はじめの一歩」の第138巻が発売されました。
が…表紙にはデジャブ感が…
これは第1巻の表紙と全く同じ構図です。どういうことでしょう?
著作権の問題があるので件の表紙の画像をお示しすることはできませんが、左グローブを力強く構えた主人公が前を見据える構図です。
ネットでググるとすぐに出てきます。
違いは、左グローブの親指が描かれているかいないか。
実は、第1巻の表紙が間違っていたので、今回改めて同じ構図で描き直した、というものです。
あまりに大きな間違いだったので、作者もアシスタントも編集者も誰も気が付かなかったのですね。
何度かお伝えしているように、世の中にはこの手の大胆な誤りが存外あるものです。
名画が逆さまに展示されていたり、ラガービールの英語表記にスペルミスがあったり、反射望遠鏡の向きが真逆だったり…
仙台では間もなく市議会議員選挙が始まりますが、選挙用のポスター掲示板の貼り間違いという事案もありました。
たしか、2枚目を貼り間違えて番号が正しい連番になっておらず、選挙期間に入ってから候補者陣営の指摘で発覚した、というケースだったと思います。
これも大きすぎるが故に誰も気づかなかった事例と申せましょう。
この手の話は、「経験知」として属人的にも組織的にも蓄積を図るが吉と思います。
注意したいのは組織的な蓄積の「継承」。
失敗を踏まえ、きちんとマニュアル化などはされているのでしょうが、「どうしてそうしたマニュアルがあるのか」という点に関しては意外と忘れ去られてしまっているのでは…
しかし、お叱りをいただいた事案については、二度と同じ轍を踏んではならないのです。
マニュアルの他の記載事項とは自ずと重みが違います。
この事案に限らず、繰り返しおさらいして注意すべきポイントを確認することをおススメします。
【付け足し】
「はじめの一歩」は1989年から連載が続いていますが、最終回への道筋は全く見えません…
そもそも、主人公が現在「引退中」なのであります。
私の見立てでは、現役復帰に向けての伏線は張られているのですが、これが実に第56巻で張られたもの。
兄貴分の世界チャンピオン・鷹村守に網膜剝離の疑いがあることに一歩が気づいて…というエピソードでした。
一歩の勘違いだった、ということで話は進み、かれこれ20年くらいは経過しているのではないでしょうか。
主人公を現役復帰させるには相当インパクトのある事件が必要で、それはこの伏線の回収をおいてあるまい、と思っています。
おそらく漫画史上最長の伏線でありましょう!
私の存命中に最終回が描かれることを祈るばかりです。