日大アメフト部員の大麻事件。
大学が大麻らしきものを見つけてから警察に届けるまで12日の空白があり、批判を浴びています。
かねて、「危機管理は時間が命」とお伝えしてきましたが、今回の事案を通して、改めて考えてみたいと思います。
この「空白期間」についての大学側の説明は、
「学生に反省させて自首させたかった」
などとあまりに稚拙なもの。
元々は警察から大学に対して、学生の大麻使用の可能性が指摘されていた中での話なのです。
疑わしきものが見つかったのですから、直ちに警察に届け出るべきでした。
ワイドショーやネットのコメントは、
・事実を隠蔽しようとしたと疑われても仕方がない
・大麻を使用した部員から薬物反応が出ないように期間を空けたとも映りかねない
などと総じて辛口です。
「時間」を大切にしていれば頂戴することの無かったコメントばかりです。
不祥事などの事案への対応において大切なのは、
「一番悪いシナリオを想定する」
このことであります。
大麻らしき植物片が見つかったことを受け、大学側は学生へのヒアリング進め、その間疑わしきブツを保管する方針を立てますが、その際、最悪のシナリオを議論すべきでした。
その一つが、大麻らしきものが本物であった、ということだと思います。
「犯罪の証拠になる物件を隠匿したなどと疑われかねませんよ」
こうした真っ当な意見は出なかったのでしょうかね。
加えてびっくりなのは林理事長の
「隠蔽とは一切思っていない」
とのコメント。
副理事長らの一連の対応についても適切との認識を示しました。
この方、大学立て直しのために就任したはずなのですが…
報道には「史上最悪の会見」との見出しまでありました。
危機管理の対応においては、時間の管理を意識しつつ、組織力をしっかりと働かせていくことが大切だと思います。
記者会見に出席したトップ3の発言の様子を拝見し、どうもこの方々の下では健全な組織力は発揮されそうにないな、とつくづく感じた次第です。