盛岡市において生活保護費の加算認定を誤り、過大支給していた案件が報じられました。
何と50年以上も間違えていた可能性があるのだそうです。
これは、障害者加算の認定において、障害者年金の年金証書に基づき算出すべきところ、障害者手帳を利用するなど誤った運用を続けていた、というもの。
会計検査院の指摘で発覚しました。
国からの通知は、1965年と1995年の2回あり、65年からずっと間違えていた可能性があるとのことです。
前例踏襲の大切さを論じてきましたが、本件は、別の意味で、前例踏襲の怖さを示したものと言えましょう。
生活保護の実務経験が無いので、これがどれくらいあり得ない話なのか、皮膚感覚では分からないのですけれど。
似たような話を探してみたら、秋田市と印西市で同じような事案がありましたから、「要注意」のポイントではあるような気がしました。
こういう「恐ろしい話」は、他山の石とするが吉。
他の自治体では、国の通知を読み間違うことなく業務を行っているのですから、50年も時間があるのであれば、どなたかお一人は間違いに気づいてもよかったような気がします。
印刷物の校正スキルの極意として
「虚心坦懐に読書する」
ということをお伝えしていますが、自らの担当業務の根拠などについても、
「虚心坦懐に確認してみる」
「素朴な疑問を大切にする」
などといった姿勢が必要な気がします。
条例公布に際しての首長の署名の件といい、今回の認定ミスの件といい。
仙台市役所はどうなのだろう?と心配になってしまいますが、恐ろしくて尋ねる気になれません。