仙台時間とお役所時間

市民目線

「仙台時間」という言葉をご存じですか?
時間にルーズな仙台人を揶揄したもので、仙台市民は約束の時間を守らない、というのがかつての世間の評判だったのです。

では、「お役所」の時間感覚は?

 

滋賀県栗東市における事案ですが、ある市民利用施設で指定管理者が利用料金を誤った金額で徴収していることが発覚します。

もちろん、直ちに是正すべきミスですが、市が10月に誤りに気づいたものの、指定管理者へ改善指示を出したのはその2カ月後…

その間、誤った金額で利用料金の徴収を続けていました。

「調査に時間を要した」のだそうです。

 

宮城県では、県立校長会の経費をPTA会費から支出していることについて、県監査委員が改善の検討を要請するも4年間放置、との報道がありました。

取材に対して「監査委員の指摘を受けて検討を続けている」旨のコメント。

ずい分と熱心に検討しておられるものです。

仙台市では、市立小中学校の校長会などの経費は出席する教職員が負担しているとのことですから、瞬間的に結論が出そうな気がしますけど…

 

一体どうしてこのようなことになるのか?

想像でしかありませんが、見直しに係る「ヘッドクォーター役の不在」が一つの要因のような気がしています。

拙著でもお伝えしましたが、ヘッドクォーター役の職員は、

「先ずもって出口戦略を立てる」

のであります。同時に、

「一番悪いシナリオも考える」

ので、危機意識が断然違ってきます。

ご紹介した2つの事案など、悪いシナリオと出口、この2点を考えさえすれば、どのような時間軸を念頭に見直し作業を行うべきか自明だったと思うのですが。

 

さて、本稿のまとめを…と思案していると、丁度良いネタを見つけました。

札幌市営地下鉄の案内板。パッと見た時にどちら方面なのか分かりにくい、とSNS上で話題になります(アイキャッチ画像の左側が修正前のイメージ)。

すると、急きょ「養生テープ」で案内板を修正。

画像の右側がそのイメージですが、実物の写真を見るとテープがベタベタと何本も貼ってあり、見栄えは相当劣悪です。

しかし、SNS上では、迅速な対応が評判になり、1万件を超える”いいね”を集めたとのこと。

「お役所時間は市民目線で」

まさに、このことでありましょう。

 

*参考文献

誤った額の徴収を2カ月是正せず 市立施設で計4万円多く取る「遺憾でお詫び」. 京都新聞. 2024-01-26,京都新聞電子版, https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1192169#goog_rewarded, (参照2024-01-29)

県立学校校長会の経費はPTA持ち!? 宮城県教委、改善検討要請受けても是正せず. 河北新報. 2024-02-18,河北新報オンライン, https://kahoku.news/articles/20240217khn000009.html, (参照2024-02-18)

地下鉄で路線案内の修正がまさかの“力技” ネットで「緊急対策ならアリ」「対応はありがたい」と話題に. ねとらぼ. 2024-02-22,ねとらぼ, https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2402/21/news160.html, (参照2024-02-23)

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