恥の上塗りパートⅡ

不適切な事務処理
写真提供:宮城県観光戦略課

「再発防止に努めてまいります!」

と言ったかどうかは定かではありませんが…

同じミスを繰り返すのは、かなりバツが悪い話です。

 

これは、名古屋市で、引き取り手のない遺体の保管を葬儀会社に依頼したまま、2年7ヶ月も放置していた、というもの。

名古屋市では2年前にも同様の事案が発覚し、当ブログでも取り上げました。

「また同じミスを⁈」

と一瞬思いましたが、状況はもっと深刻でした。

 

今回の事案は、2年前に処分された職員が、実はもう2体あったことを失念していたもの。

戒告処分を受ける際には思い出していましたが、

“上司には言い出せなかった”

とのことです。

 

ですから、厳密には、これは「再発」ではありません。

2年前の時点での全容把握が不十分であった、という話であり、組織における「風通し」の問題でもある訳です。

しかし、傍目には「再発」に見えてしまい、再発でないことを説明していくと、さらに具合の悪い話になっていく、というなかなか辛い案件なのでありました。

 

ツッコミどころは沢山あります。

一つには、2年前に事案が発覚した際の全容把握のあり方。

結果から想像するに、職員の申告を鵜呑みにしてしまったように思われます。

「これはダブルチェックしてありますか?」

「はい、やっています」

「では了解」

という会話と同じです。

名古屋に葬儀社が何社あるのか、とググってみると83社とありました。

83回電話をかければよいだけの話だったのです。

 

一つには、ミスをミスと言い出せない職場環境や人間関係のあり方。

これは実に難しい問題で、私が上司の立場にあったならば、職員がミスを申告出来ない環境を作ってしまった自分の責任と考えようとは思います。

でも、いくら私が「しんがり宣言」をしていても、言い出せない時は言い出せないのだろうな、とも本音では思います。

正直、妙案は思いつきませんが…

 

本人が言い出せなくとも、

「結局、不都合な事実は必ず表に出る」

このことを職場で繰り返し共有することは大切かな、と思います。

今回の事案も、本人は葬祭業者の再三の問い合わせに虚偽の説明を繰り返し、その場しのぎを続けてきました。

でも、結局は、業者が別の職員に問い合わせを入れ、事実が白日の下に…という経過をたどったのです。

ミスをやらかした時には、正直に報告していただくのが唯一の方法なのです。

 

ところで、今回の報道で、心配なことがもう一つ出来てしまいました。

それは、懲戒処分に至るまでのスピード感。

朝日新聞が昨年12月末に報じて、その後どうなったのかな…と思っていたら、5カ月以上も経ってからの処分の報道。

何かご事情はあったのでしょうけれど、それにしても…

他所の会社の話ではありますが、心配になってしまいましたー

 

*参考文献

身寄りのない2遺体を2年間放置 職員「言い出せなかった」 名古屋. 朝日新聞. 2023-12-28,朝日新聞デジタル, https://www.asahi.com/articles/ASRDX4SHRRDXOIPE009.html, (参照2024-06-13)

 

*参考文献

引き取り手ない遺体を2年7か月以上放置、名古屋市の職員を懲戒処分…問い合わせに虚偽の説明. 読売新聞. 2024-06-13,読売新聞オンライン, https://www.yomiuri.co.jp/national/20240612-OYT1T50180/, (参照2024-06-13)

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