監査のツボ

仕事術あれこれ

令和2年4月に監査委員を拝命しました。

人事異動の希望欄に「未経験業務」と書き続けたためか、環境局長、宮城野区長に続き、今度も初めての職場となりました。

習うより慣れよで、監査の仕事を1年やると、いわゆる「ツボ」が見えてきました。

令和2年度における監査は、指摘事項4件、指導事項52件、計56件という結果。

そのほとんどは、課長段階までのチェックが不十分だったことが原因でした。

担当者・係長・課長の3人による「三角ディフェンスがツボ」ということですね。

 

拙著「公務員 仕事の虎の巻」の「三角ディフェンスのお願い」(本文3.7)にも書きましたが、1万数千人の仙台市役所職員のうち個々の業務を実務的にチェックしているのは、課長・係長・担当者の3人しかおりません。

課長さんがハンコを押す前に一言二言確認をしていただくだけでミスは大分減るのだが…と思っています。例えば…

 

【日付の辻褄を確認する】

物ごとには必ず「起こり」があります。

収受した文書に基づく起案であれば、収受した日付以降にしか起案は出来ません。

日付の整合性が取れているか確認すべきです。

(そもそも文書を収受していない場合もあったりします…)

決裁や施行の日付も同様。

私流に申し上げると

「タテヨコナナメを確認する」

このことであります。

 

【決裁区分を確認する】

監査の指摘・指導事項でも多いのが決裁区分の誤り。

「これは課長決裁でよいのですか?」「ハイ!」「では押印♪」

これでは落第です。

特に誤りの多い契約に係る起案であれば、

「必ず決裁区分の一覧表などを指差し確認」

すべきです。

事業の実施や照会回答などの場合でも、事務決裁規程のどこに該当すると担当者が考えたのか確認した方がよいと思います。

 

【ダブルチェックを確認する】

「課長、決裁をお願いします」「ダブルチェックはしましたか?」「ハイ!」「では押印♪」

これも落第。

どういった作業を誰がどのように行ったのか確認していただきたい。

例えば、Excelで計算した数字を用いている場合であれば、一部を手計算で検算してあるか。

印刷物の発行であれば、校正作業において原本と異なるソースでの確認を行っているか、などなど。

 

ツボはまだまだありますが、いずれまた。

課長さんは実務における「最後の砦」です。よろしくお願いいたします。

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