再発防止策を考えてみた

不正な行為
写真提供:宮城県観光戦略課

不正な行為や不適正な事務処理への対応において大切なのは「再発防止」です。
宮城県教育委員会の対応を事例として考えてみました。

これは、公立学校の授業や部活動で使用する物品について、教職員が個人のクレジットカードで購入し、ポイントを私物化していた問題。
今年2月に報道があり、その後、再発防止策の検討が進められてきました。

防止策の第一弾は、5月下旬に示されました。
「アマゾンビジネス」という法人向けの通販サービスを利用することにしたもの。
個人が介在するから問題が発生するので個人を介在させない、という思考回路の対策ですね。
品揃えが豊富ですし、価格もお得な「法人価格」。何より、月に一度の請求書払いが可能です。
無料会員の場合、2000円未満の購入には送料が発生する、という些細な問題はありますが、再発防止策としては満点に近いのではないでしょうか。

でも、この話には続きがあり、9月下旬に第二弾の対策が示されます。
それは、学校ごとに法人用のクレジットカードを作成する、というもの。
2月にこの問題が明らかになった際、記者会見で知事が対応方策の一つとして例示した取り組みです。
①カードを金庫に保管する、②管理簿を作成して管理者の許可を得て使用する、③カード使用後はレシートなどを添えて返却する、④レシートのポイント付与履歴をチェックする。
このような内容が報道されました。
さて、皆さんはどうお感じになりましたか?

私の仕事術に「仕事の三原則」というものがあります。
「大は小を兼ねる」「毒を食らわば皿まで」などですが、このケースは…
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」。
この言葉が思い浮かびました。何故か?
それは、保管、管理簿、使用後のチェックなど、あまりに「仕事の手数」が多いことです。
その分、ミスや不正の発生する可能性が高まりますし、業務量も増えてしまいます。

握り寿司においては、手数が少ないほど手がネタに触れる時間が短くなり、その分、お味が上等になる、とされています。
不正やミスを防止する観点からの取り組みも同じではないのかな、というのが私の感想です。

 

*参考文献

宮城県教委が「アマゾンビジネス」導入へ 物品購入「ポイント私物化」で対策. 河北新報. 2024-05-22,河北新報オンライン, https://kahoku.news/articles/20240521khn000061.html, (参照2024-10-04)

【独自】公立学校教職員のポイント私物化問題を受け、宮城県教委が法人カード導入. 河北新報. 2024-09-29,河北新報オンライン, https://kahoku.news/articles/20240928khn000033.html, (参照2024-09-29)

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