目の色変えて

不適切な事務処理
写真提供:宮城県観光戦略課

事務処理のミスが発生した時に大切なことは、

「二度と同様のミスを繰り返さない」

このことです。

 

先の衆院選、仙台市泉区選挙管理委員会において、不在者投票のオンライン申請があったことに気付かず2名が投票出来なかった、というミスがありました。

記者発表資料を読むと、状況はお粗末でした。

受付簿も何も無くて、組織的な管理が行われていなかったのです。

覆水盆に返らず、ですが、有権者の投票の権利を奪ってしまったのですから、これは重大な事案です。

「目の色を変えて」再発防止に取り組むべきですが…

 

記者発表資料にある、

“本事例を各区選挙管理委員会事務局に共有し、同様の事例が起きないよう、周知徹底を図る。”

との一文が気になりました。

共有すべきものが違っているのでは?と心配になったのです。

皆さんはお分かりですか?

 

現役時代、奉職34年目にして初めて区役所勤務を命ぜられました。

一番驚いたのが、事務の進め方が5つの区役所で必ずしも統一されていないこと。

きっかけは、ある部署における個人情報の記載された書類が一時行方不明になった事案でした。

他の区役所に書類を送った際に発生しましたが、発送簿の様式などが統一されていないことが途中で分かりました。

いやいや、これにはビックリでした。

同じ仕事をしているのだから、仕事の進め方は5つの区役所で統一されている、と信じ込んでいたのです。

 

そこで、他の区長さんに声がけして、月に一度の情報共有の場を設け、事務処理のミスや不祥事が発生する度に再発防止策をトップダウンで考えることにしました。

私が4人の区長さんにお願いしたのは「多数決ルール」の導入。

仮に5人の意見が一致しなくても、3人以上の賛成があれば、その防止策を採用する、というものです。

時間重視で対応したのであります。

 

この時、各区役所の間では何が共有されていたのか?

それは、具体の「仕事の進め方」が共有され、統一されていたのであります。

マクドナルドに行って、仕事の進め方の異なる店舗に遭遇したことがありますか?

組織として仕事をする、ということは、基本的にそういうことなのだと思います。

 

今回の選管のミスにおいて共有されるべきは何であるべきか。

ここまで読んでくださった皆さんにはお分かりでありましょう。

私の心配が杞憂であることを祈るばかりです。

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