事務処理のミスの再発防止策については、「具体的」であることが大切です。
3年前の宮城県知事選挙の投票用紙が残置されていた事案について考えてみました。
これは、先の衆議院選挙において投票所の開設準備をしていたところ、投票箱を組み立てた際に3年前の知事選挙の投票用紙2枚が残っていることが見つかったもの。
再発防止策は、①確実に箱の中身の確認を行う、②複数職員によるダブルチェックを行う、というものです。
「具体度」という点では、いささか心細いような気がします。
参考になると思ったのが、「アメリカ型のチェックリスト」の思想です。
「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」(飯野謙次著)という電子書籍の内容を以前にもご紹介しました。
例えば、日本の場合は、
・水温が適正であることを確認する
というチェックリストを作りがちですが、著者の経験だとアメリカの場合は、
・水温は〇℃より低くない
・水温は△℃を超えていない
という形でリストを作成するのだそうです。
私、今回の事案については、この思考回路で再発防止策を講じたらいいのではないか!と思いました。
具体的には、
- 開票管理者と開票立会人の確認作業に先立って、事務局職員が投票箱を下向きにして垂直方向に3回振る
- 投票箱を折りたたんで収納する際は、①一度折りたたんだ物を再度組み立てる、②再度組み立てた投票箱の底の四隅を複数の職員が手で触る
などといった形で「具体のアクション」を定めるのです。
私のアイディアは、例えば…ということですけれど。
「確実に」と謳うよりは、よほど「確実度」が増すと思います。
*参考文献
飯野謙次「仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?」(2017)文響社(Kindle版)