フジテレビの二度目の記者会見。
相当の覚悟を感じましたが、肝心のところが詰められていませんでした。
それは、日枝相談役を記者会見に出席させなかったこと。
同相談役については、「長く取締役をやってきていて最も責任が重い」との見方が支配的です。
「なぜここに日枝氏がいないのか?」
との質問に対して、
「この会見はフジテレビの問題なので、フジテレビの会長・社長以下で対応している」
「それぞれが今後どのような責任を取るのかが大事」
などと応じました。
前者のコメントは、「記者クラブの要請で定例会見を前倒ししたもの」という失敗会見のへ理屈と同じです。
後者のコメントは、この問題に正面から向き合う姿勢そのものが疑われる内容でした。
一体、この会社の危機管理はどうなっているのでしょうか?
私の持ちネタに「仕事の接点」というお題があります。
高級オーディオの世界では、音質を追求していくと接点はより少ない方へと向かっていくのですが、仕事においては逆。
接点、すなわち組織として関わる人の数が多くなるほど、より多面的なチェックがかかり、仕事の質は向上します。
というお話です。
最初の会見は、接点が少なかったがために判断の誤りを招きました。
この点、
「あまり多くない人数で問題解決を図ろうとした」
とフジテレビ側も認めています。
その反省があるのであれば、今回の記者会見は同社の総力を挙げての事前検討があったはずです。
しかし、残念なことに「画竜点睛を欠く」結果に終わってしまいました。
「長く人事を掌握してきた者に忖度して、健全な組織力が働かない」
これがフジテレビの現状だと思います。
何だか、どこかで聞いたような話ですね。