仙台駅前の旧さくら野百貨店の解体工事が始まり、やれやれ…と安堵していたら!
何と、再開発計画が白紙になってしまうという有難くない続報がありました。
このままだと、ペデストリアンデッキから青葉通りを眺めると、両サイドが空地…という憂うべき状況になってしまいます。
仙台の土地のポテンシャル。
実はあまり高くないのだな、と思い至った経験があります。
どこのどの案件と明かすことは出来ませんが、仙台市民的には一等地と映る土地について、定期借地方式による民活の可能性を調査したことがあります。
ちょうど豊島区役所が同じ手法でうまいことやった時期のお話です。
かなり本気に考えていたので、都内の主要なデベロッパーにもお声がけさせていただき、あれこれと売り込みをかけてみました。
が…反応は芳しくありませんでした。
一つには、仙台の場合、仙台駅周辺のオフィス需要はあるものの、市場自体が小さいので、新規物件があればそちらに入居する企業はあるだろうが、その分、条件の悪い物件に空きが出るだけ、という状況がありました。
つまり、民活してオフィスビルを建てると、「民業圧迫」になってしまうのです。
もう一つは、定期借地方式が成り立たないであろうこと。
これも土地のポテンシャルに由来しますが、仙台くらいの都市では、定期借地料と売買価格の間にあまり差が生じないのだそうです。
つまり、敢えて定期借地料を支払ってまで土地を利用する方はおられないだろう、という見立てでした。
話を旧さくら野ビルに戻すと、昭和世代の仙台市民にとって、あそこは「丸光デパート」と認識されています。
丸光デパートと耳にして思い出すのは、ミュージックサイレンの調べ。
私の記憶だと正午と午後3時、午後5時の3回。「荒城の月」が流れていたように思うのですが、ネット情報によると午前9時と午後9時にもあったのだそうです。
午後9時の荒城の月は正直記憶にありません。
この時間に鳴っていたのは「この道」という曲でした。
青少年に「早くお帰り」と帰宅を促す趣旨だったのだそうです。
私の実家は、仙台駅から直線距離で数キロの場所でしたが、丸光のミュージックサイレンの調べは、毎日バッチリ聞こえておりました。
現役時代、部下に聞いて回ったところ、風向きによっては、はるか彼方の川平でも聞こえていたことが分かりました。
と言うことは…ですよ。皆さん。
仙台駅前で、この「荒城の月」を耳にするとどうだったと思われますか?
これはですね、物凄い大音量だったのでございます。
隣の人との会話もままならないほどの圧倒的な音量でした。
昭和だからこそ許された、懐かしのお話です。

