ペナントレース開幕へ向けて地元も盛り上がってきました。
選手全員が初めて仙台に集合し、仙台空港から久米島キャンプに向かう、との情報を得たので、市民へのお披露目パレードを!という話になりました。
でないと、仙台市民は4月1日のホーム開幕戦まで選手の姿を見ることが出来ないからです。
【悪夢のちゃぶ台返し】
12月24日の夜。パレードの詳細を詰めましょう、という会議がありました。
席上、楽天の担当者から思いもよらぬ言葉が飛び出します。
「この話はなかったことにしてください!」
田尾監督にきちんと話をしていなかったため、激怒されてしまいました…というご説明。
星一徹のちゃぶ台返しにあったようなもので、地元の皆さんはすっかりお冠。
「我々地元は不要と言うことですね!」
という一言に会議室は一瞬で凍りつき、誰も言葉を発することができません…
外ではしんしんと雪が降り続け、♪ジングルベ~ル♪とクリスマスソングが遠くから聞こえてきます…
永劫とも思える数分間の後、ここが勝負どころと腹をくくり、私が口を開きました。
「選手の皆さんの体調第一で結構です。コートを羽織り、防寒靴を履いた姿で構いません。
仙台市民に一目選手の皆さんの姿を拝ませたい、この思いで皆さんこうして準備を重ねてきたのです。
もう一度だけ田尾監督と話をしてみてくださいませんか?」
必死だったので正確には覚えていませんが、確かこんな内容だったと思います。
【ある日突然の法則】
仕事においては、成否を分けるポイントとなる局面が必ずあります。
楽天のパレードに関しては、前述の「永劫とも思える数分間」がそれでした。
過去の経験に照らすと、この手の局面は予告なしに突然現れるものなのです。
「ある日突然」という昭和歌謡の名曲がありますが、まさにその通り。
対応のコツは、
- ポイントが訪れたことを明示的に自覚すること。
- 自覚したら瞬時にギアを上げて、頭をフル回転させること。
- 最後に、腹をくくること。
以上3点だと思います。
久米島キャンプに出発する前日。南町通から定禅寺通までのパレードが実施されました。
その後、鳴かず飛ばずの状態が続いた我らがイーグルス。
ひょっとしたら、このまま「幻のパレード」と化してしまうのでは、と密かに心の中で心配していたのです。
しかし、2013年に田中投手の神がかり的な大活躍で日本一に輝きました。
堂々たる優勝パレードを眺めながら、心の底から安堵したことを覚えています。
(さらに続く)