「不正受給」が今年の流行語大賞にノミネートされそうな昨今ですが、今度は、業務委託費の不正受給です。リンク(読売新聞オンライン)
せん定した枝などの処分費用をいったん受託事業者が立て替え、後日の領収書のコピーを提出して当該費用を受け取るのですが、同じコピーを使い回して二重に費用を受け取っていたもの。
自治体の業務のみならず、世の中のほとんどの仕事は「性善説」を前提に組み立てられていると思います。
思うに、相次ぐ不正受給事案の根っこには、性善説の限界があるのかもしれませんね。
哀しいことですが、こうなってくると、ある程度性悪説を考慮に入れた仕組みを考えなければなりません。
本件では、どうしましょうか?
【案1】
DXの時代なのですから、領収書の画像データをAIにチェックさせる、という案はどうでしょう!
顔認証システムが実用化されているご時世です。
使い回しのコピーを見つけ出すことなど造作もないのでは?
まぁ、システム構築のコストは半端ないでしょうけれど…
【案2】
私の仕事のテクニックに
「物事を逆さまにして考えてみる」
というものがあります。
本件では、受託事業者に処分費用の立て替えをさせると不正が発生するのであるから、「処分費用を立て替えさせない」と思考しました。
我ながら名案!と一瞬思いましたが、結局、その場合でも処分業者が代金を一時立て替えます。
処分業者に処理数量を胡麻化されると…
【結局】
当該自治体の再発防止策は、「領収書の原本を提出させる」というものでした。
コピーを提出させるから不正の余地が発生するので「コピーを提出させない」とお考えになったのですね。
これも「逆さま思考」の一例ではと感じました。
さすがの対策ですが、心の底から意地悪に思考すると、受託事業者と処分事業者が結託して処分費用の水増しを行った場合にはお手上げです…
結局、性善説をどこか前提に置かない限り、世の中はどうにもこうにも回らない!
まさに、このことでありましょう。