人の振り見て我が振り直す「他山の石活動」では、参考となる事例のどこに目を付けるかがポイントとなります。
400人分の個人情報が記載された捜査情報を紛失した事案。リンク(朝日新聞デジタル)
多くの方々は、個人情報の管理のあり方や紙ベースで情報管理する手法の当否などに目を向けることと思いますが、私の場合は…
資料の紛失が上司に報告されたタイミングに目が行きました。
この職員が資料の紛失に気付いたのは、泥酔して寝込んでしまった翌朝の5時頃。
しかし、上司への報告はその日の夕方…さすがに遅いと思います。
つまり、私にとって本件は「危機管理は時間が命」というお題に映る訳です。
お粗末さにおいては過去指折りとも思われる本事案。
組織としては、直ちに目の色を変えて紛失資料の入ったカバンを捜索したいのに、ほぼ丸一日ロスしてしまいました。
報告の遅れが致命傷にならないことを祈るばかりです。
このことから派生して、危機管理における「しんがり宣言」のお題にも話が及びます。
失敗をやらかした当事者としては言うに言われず…が正直なところでありましょう。
部下のミスに関して一報が遅滞なく報告されるためには、相応の信頼関係や組織風土が必要なのだと思います。
私が局長や区長を務めていた時は、
「最終責任は組織の長である自分に帰属する」
との「しんがり宣言」を行い、一報がとにかく局区長へ迅速に届けられるよう心を配りました。
「何やってんだ!」と部下を叱責した瞬間に一報への道筋は途絶えてしまいます。
日頃の危機管理のあり方がいざという時の情報共有に大きく影響するのです。
こうした「他山の石活動」は、失敗事例が発生する都度、タイミングを逸することなく、繰り返し試みるが吉。
身内のミスであっても同様です。
失敗した職員をあげつらうのではなく、同様のミスを組織として繰り返さない。
取り組みの趣旨を明確にしつつ、どこがどのように悪かったのか特定し、改善策を講じていくことをおススメします。
【前回の写真のロケ地】
青葉通をあのアングルで撮れるのは仙台駅の新幹線ホームです。
窓枠が映り込まないように気を付けつつ、ズームアップして撮影しました。