アントニオ猪木氏のご逝去を悼み、「実務における卍固め」を要約・修正の上、お届けします。
敬愛する猪木氏への思いを込めて、卍固めに関する「補論」を加筆いたしました。
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給付金を誤って一つの世帯に4630万円振り込んでしまった事案。
タラレバのお話にはなりますが、どうすればよかったのか、再考してみました。
事実関係を要約すると、
「フロッピーディスクの情報に基づき正しく各世帯に振込みが行われた一方、誤った振込依頼書に基づく振込みも行われ、二重払いが生じた」
ということでありました。
誤送金先の金融機関から芳しい回答が得られなかった、との報告を受けた後、と仮定して、どうすれば他口座への移動を食い止められるのか、思考してみました。
建前上は、当該金融機関を含め、どこの銀行であっても、「他口座へお金を移さないようにお願いします」と頼み込んだところで、これに応ずることは困難でありましょう。
そこを何とか…とお願いしている訳ではあるのですが、どうやら先方は建前でしか動いてくれそうにありません。
加えて、誤送金されたお金を受け取った方から一応返済の意思表示はいただいてはいるものの、依然として具体の手続きを取っていただけていない…
万が一を考えると大変危険な状況であり、何らかの「決め技」を出す必要があるように思います。
私、こうした場合には基本的にストロングな作戦を立案するのです。その作戦は…
「誤送金の事実を速やかに記者発表してしまう」
これであります。
同時に、次のような情報を発信します。
・誤送金を受けた方とは既に接触して返済の意思表示をいただいており、現在調整を続けている。
・誤送金先の金融機関に対しては公文書を発出し、円滑な返済へ向けての格段のご協力をお願いしたところである。
・事態の速やかな収束に向けて、全力を尽くしていく。
こんな感じですかね。
当該金融機関が、実質的に身動き出来ないように「卍固め」を決めてしまう作戦です。
【補論】
卍固めとは、プロレスラー・アントニオ猪木の究極の決め技。
昭和小僧は、三菱電機提供のプロレス中継で卍固めが初めて使用された場面を目撃しました。
何たらリーグの決勝戦の土壇場でこの技を出したのですが、当時の猪木と言えばコブラツイストが決め技で、小僧は「オッ!コブラ!!」と瞬間的に思ったのです。
が、猪木の左足が相手レスラーの首にからみつき、そのまま不思議な形で全身を固めてしまいました。
勝利後のインタビューで新技であることが明らかにされ、同時に新技の名称公募!という、昭和40年代としては画期的な企画がその場で発表されたのです!
あれから半世紀…
昭和小僧は令和おやじとなり、曲がりなりにも甘辛経験いたしました。
新技発表の次の瞬間に名称公募…などという美しい展開は、実務的にはあり得ません。
全て、事前に仕込まれていたことなのでしょうね…
数週間後、技の名称は、英名「アントニオ・スペシャル」、和名「卍固め」と発表されました。
技の形が卍に似ているからだそうです。
ですが、それらを超えてなお猪木の卍固めは美しい!!
ニュースで流される試合の映像。猪木の右足に注目していただきたい。
この技は、オクトパスホールドとも呼ばれますが、まさに「タコ」のように相手レスラーの足首に絡みついています。
これ、ダブルジョイントと評される柔軟な関節を持つアントニオ猪木だけが為しえる神業なのです。
試しに、他のレスラーの卍固めの映像をご覧なさい。
私の知る限り、全てのレスラーの右足のフックが不完全。多くは、マットに足が着いております。つまり、「固めていない」のです。
アントニオ猪木よ永遠なれ、さらば、真の卍固め!!