ある自治体の幹部職員が収賄容疑で逮捕された事案が報道されました。リンク(朝日新聞デジタル)
ご本人の不見識はさておき、この事案では多くの部下が処分を受ける事態となっています。
部下の一人になったつもりで、虎の巻的に考えてみました。
本件の特徴は、末端の職員ではなく、組織のトップである局長が事業者との癒着の総本山であったこと。
そのような図式の下で、部下である私に件の事業者からの付け届けが届いた、と仮定してみます。
「人生二択論」でも申し上げましたが、いわゆる運命の分かれ道というヤツは、ある日突然目の前に現れるものです。
後出しじゃんけん思考では、宅配業者が付け届けを配達に来た時点で「受取拒否」するのが最善だと思います。
しかし、宅配された荷物の差出人を念入りに確認することは普通しないでしょうし、最近は置き配というヤツもありますからね。
つまり、こういう「えげつない」手段を相手に取られた場合、付け届けを一旦受け取ってしまうリスクはなかなか避け難い、ということだと思います。
一旦受け取った付け届けの品をどうするか?
オーソドックスには、上司に報告することが第一。
組織として情報を共有することにより、その先は、組織の判断・指示に基づいて行動すればよいからです。
が、本件ではその上司の上司が癒着の総本山。
「いいから受け取っておけ」
などと言われる可能性もありますね…
ここから先は、その方の生きざまによって色々あります。あくまでも私ならば…ということで申し上げますと…
私はこの瞬間に「心のギア」を一段上げると思います。
自分の上司は、部下である私を守ってくれない訳ですから、
「自分の身は自分で守る」
このことであります。
付け届け品は「着払いで返送」します。万一戻って来た時は、仕方ないので元払いで再度返送します。
今回の事案では、同等品を先方に送り返した場合も問題視されています。
外形的には、先方とお付き合いした形に映ってしまいますから、徹底的に対応した方がよいと思います。
事業者経由で私の悪口が局長のところに行くでしょう。なので、そのための保険を掛けなくてはなりません。
私の場合、こうしたケースでは戦闘モードに入ります。内部通報制度を利用して、事実関係を組織共有するようにします。
アリバイをきちんと作る、ということですね。
それにしても、何と空しい作業なのでしょう。
正しい道を歩んだとしてもこんな思いをするのですから、むざむざと癒着の渦に巻き込まれたしまった部下の方々は…
ゴルゴ13的に申し上げると、本事案における担当局長のギルティー度はかなり高いと思います。
「努々部下を不正に巻き込むような上司になっていけない」
まさに、このことでありましょう。