「検討する」と議会答弁すると、半年後に議会に報告することを義務付けた制度を試行している自治体があるのだそうです。リンク(中國新聞デジタル)
仙台市議会第4回定例会では、どんな感じだったでしょうか。
開会に先立って議事録を検索してみたら、実に沢山ヒットしました。
彼の自治体だったら大変なことになってしまいますね。
中継を聞いていると第4回定例会でも結構使われているな、という印象でした。
この点、拙著「公務員 仕事の虎の巻」ではどう説明したのかしら、と読み返してみましたが、触れていませんでしたね。
なので、今回は補論としてお届けします。
「検討」という言葉には、基本的に前のめり感があります。
それは、「検討して、その後どうするの?」という期待を相手に抱かせてしまう言葉だからなのでしょう。
実際、議事録を眺めてみると、
「検討してまいりたい」
という答弁は、ほとんどが実施を前提としてお答えしているように思いました。
私の場合、「検討します」とお答えする際には、何時までにどうするのか、という出口を確認するように気を付けていました。
石炭火力発電所の立地抑制のための方針を策定した時は、議会で質疑を受けて前向きな答弁を差し上げ、方針を策定する、という出口戦略を立てていましたから、
「鋭意検討」
などと超前のめりの答弁をしています。
もう1点、局区長時代に私が心がけたのは、「検討します」と答弁した項目の進捗管理。
自分の部局の過去答弁一覧を作成していたので、それを利用しました。
次の定例会で、同じ項目について検討状況を問われた際、きちんと答弁出来るように部下の仕事の進め方を管理していました。
「検討」に対して「研究」という言葉を使うケースも時々見かけます。
大概は当局には実施する気持ちが薄い場合のように感じます。
私自身は、この言葉は好みませんので使っていないはず…と思って確認してみたら1回使っていました。いけませんね。
ところで、冒頭ご紹介した自治体ですが、制度を試行した途端に「検討する」との答弁が激減してしまったのだそうです。
ダウンタウンの「笑ってはいけない」ではありませんが、まぁ、どっちもどっちかな、と思いました。
*年内の最終更新は12月28日の予定です。