指定管理者のビックリ事案について

不適切な事務処理
写真提供:宮城県観光戦略課

指定管理者制度は、平成15年の地方自治法改正により導入されました。

3年の移行期間ののち、平成18年9月に、直営施設を除く全ての公の施設について、指定管理者制度に移行したところです。

 

ある自治体管理する道の駅で指定管理者の変更がありましたが、それまで指定管理の指定を受けていた事業者が業務の引継ぎに応じない、という事案が発生しました。リンク

当該道の駅のHPには、事業者の言い分が掲載されています。リンク

 

これらから読み取れる状況を整理すると、こんな感じです。

 

①自治体と事業者が締結した協定書には、指定期間満了時における原状回復義務に関する条項が含まれていた。

②指定管理期間中に事業者負担で何らかの現状変更(設備)があった。

③事業者の主張では、当該現状変更は自治体の承認の下に実施された。

④事業者の主張では、原状回復工事を実施する意思があるものの、工期が長引き、営業できない期間が相応の期間に及ぶと予想されること等から自治体が懸念を示している。

⑤現在も協議中であるため、原状回復工事の実施を決定できない状況にある。

 

私、この事案のポイントは③にあると思いました。

自治体と指定管理者の間で結ばれる協定書には、通常は③に関する規定は置かれていないはずです。

事業者の主張には「価値向上を図った現状の設備」とありますから、イメージとしては賃貸で入居した飲食店舗に後から設置された厨房機器のような感じでしょうか。

 

民間の場合だと、特約で「造作買取請求権の放棄」と「スケルトン(内装・設備をすべて撤去した状態)での明け渡し」が義務付けられているのが通例のようです。

「高い費用をかけて設置した設備だから買い取って欲しい」

などといった主張は、特約がある限り通じません。

 

なので、後出しジャンケンで申せば、この事案では③の手続きをどのように進めるか。そこをよくよく吟味する必要がありました。

よもや口頭での「承認」ということは無いでしょうけど。

文書を交わしていたとして、その中に「指定期間満了時には、事業者の負担で原状回復し、造作の買い取り請求はできない」旨の条項が含まれていたのかどうか。

 

指定管理者との協定書については、自治体側がちゃんと目を通していない、というケースを時折見かけました。

指定管理者に何を求め、義務付けているか。

肝心要の担当課の方で承知していないため、指定管理者へのチェックも機能していなかった、などの事例です。

当初施設を設置した際には、担当課でも内容をしっかりと吟味していたものの、時が経ち、担当者が交代を繰り返していくうちに…ということでしょうか。

 

ところで、この事案では、指定期間が満了した後も、それまでの事業者が営業を継続しています。

指定管理者の指定が無ければ管理運営出来ない施設なのですから、その辺りは速やかに対応した方がいいなぁ、と外野は思います。

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