指定管理者制度は、民間活力の活用を主眼に導入されましたが、実際に民間事業者やNPOなどに役所の仕事を任せた場合に色々なことが起こります。
利用料の返金を私費で立て替えたり、清掃時に集めた落ち葉を河川敷へ投棄したり…
今回は、使用料の誤徴収でした。
これは、仙台市七北田公園にある庭球の壁打ちコートにおいて、本来、一般の利用者のみから使用料を徴収すべきところ、無料であるはずの中学生以下の利用者からも使用料を徴収していた、というもの。
報道によると、有料化してからずっと誤って徴収していた可能性がある、とのことです。
どうしてこのような事態に至ったのか?
都市公園条例を読んでみました。
それぞれの施設の使用料の額は、別表に書かれているのですが、問題の壁打ちコートは…
専用利用 一時間一面につき 三百六十円
個人利用 一般 一時間につき 百二十円
とありました。
さて、中学生以下が無料となる旨の規定はどこに…と探しましたが見つかりません。
私、この時点で落とし穴にはまっていました。
皆さんは、分かりましたか?
答えは「一般」の漢字二文字にありました。
別表の備考には次のようにあります。
「一般」とは、義務教育終了後の者をいう。
つまり、別表に書いてあることは、「壁打ちコートの個人利用については義務教育終了後の者からしか使用料を徴取しない」。
裏返すと、中学生以下の利用については無料、ということだったのです。
指定管理者も私と同様の落とし穴にはまってしまったのかもしれません。
「役所の常識は世の中の非常識」という自虐的な言い回しがあります。
今回の件は、もちろん非常識ということではありませんが、条例ならではのロジックや文法について、民間目線だと分かりづらい場合がある、ということだと思います。
別の自治体では、営利目的の利用の場合における「3倍規定」について、本来、その対象でない施設について適用してしまった、という事例もありました。
こうした「実務上の留意点」は、指定管理者との協定書には登場しません。何故なら、役所の側では条例に書いてあることが「留意点」とは思っていないからです。
「条例にある通りに使用料を徴収してください」
このような思考回路なのでしょう。
指定管理者制度においては、民間事業者にとっての「地平線」を意識する。
民間活力の活用における大切なポイントです。
*参考文献
仙台・泉の七北田公園庭球場壁打ちコート 無料のはずの中学生以下から誤って料金徴収 07年からずっと? 市が5年分返金へ. 河北新報. 2026-04-24,河北新報オンライン, https://kahoku.news/articles/20260424khn000079.html, (参照2026-05-03)
