消費期限切れのパンを生活保護受給者に提供した件が報道されました。
危機管理の点から考察してみたいと思います。
これは、仙台市において、フードバンクから提供された食料を生活保護受給者に渡した際、消費期限切れのパンが含まれていた、というもの。
パンを食べて体調を崩したことからマスコミの取材が入り、当初は「本人に説明して了解を得ているので不適切ではない」という趣旨をコメントしました。
毎日新聞がこれを報じますが、おそらくその時点で「組織力」が働いたのでしょうね。
その後、一転して「不適切だった」とコメントが変わり、これもまた報じられてしまいました。
これは「お詫び会見」に類することなので、
「後になって不都合な事実が判明するリスクがあるのか無いのか」
この点をよくよく吟味して取材への対応にあたるべきでした。
後追い報道によると、ルールやマニュアルこそ無いものの、消費期限切れの食品を廃棄することは共通認識のことでした。
世の中では共通認識のことを「ルール」と申します。
ルール違反であったことを率直に認めるべきでした。
毎日新聞の報道に「担当者」とあることも気になりました。
私の認識では、取材への対応にあたるべきは管理職にある者。
まさか、主事や主任の方が取材に応じたのではないのでしょうけど。
万一、そうした対応であったのなら、その点も反省材料です。
仮に管理職が対応にあたったとして、あのコメントがあったのだとすれば…
これは「ある日突然の法則」のお題となります。
仕事における勝負所はある日突然目の前に現れる。
その時は「心のギア」を一段上げて…
というお話です。
実際、課長時代にそういう経験をしたことがあります。
常任委員会において報告・公表することが定例であった事案について、ある全国紙の記者から電話が入りました。
「もう結果は出ているのでしょうから、お答えください」
というものです。
「いや、常任委員会でまず議会に報告いたしますので」
としどろもどろに応ずると、
「議会のことは〇〇新聞には関係ありません。分かっているなら答えてください」
実際には、もっともっと高圧的な態度でしたが、まぁどうにか頑張りました。
私の経験もこの事案も、「組織力」を働かせれば、答えは一つしかありませんが、「ある日突然」の取材に対しては、ロンリーな対応とならざるを得ない、ということです。
なので、本件は「天秤思考」のお話でもあります。
「不適切ではない」
というコメントに問題が無いか、頭の中でカタカタと二択を繰り返し、結論を出せるとよかったな、と思います。
所内に一定の「ルール」が存在している時点で、「不適切ではない」とのコメントは後々持ちこたえられないことは明白でした。
最後に老婆心ながらもう一つだけ。
「過去に同様の事案があったのか把握できていない」
とのコメントは危ういです。
「今後、把握する考えはないのか」
「当該担当者への聞き取りはしたのか」
などの二の矢、三の矢が容易に予想されます。
第二回定例会が開会中なので、組織として備えておいた方がいい、と感じますー
*参考文献
消費期限切れパン巡り 仙台市「提供は不適切」一転して認める. 毎日新聞. 2026-06-12,毎日新聞デジタル, https://mainichi.jp/articles/20260612/k00/00m/040/319000c, (参照2026-06-14)
