かねて、ふるさと納税制度には懐疑的でしたが、会計検査院から衝撃的な報告がありました。
マスコミ各社が報じたので、ご存じの方も多いでしょう。
地方財政全体で見ると、2024年度は863億円の「赤字」、2017年度からの8年間では約3200億円もの歳入減という内容です。
少し前に、総務省がふるさと納税の手数料引き下げを仲介サイト事業者に要請した、との記事を目にして「おや?」と思っていたのです。
「転ばぬ先の杖」ということでしょうね。
会計検査院の報告が出てからの要請では、後手に回った感が拭えません。
危機管理の上では、一つ参考にすべき対応です。
ふるさと納税については、「三方一両損の怪」というお題で書いたことがあります。
損その1は、大都市圏からの財源流出。
損その2は、ふるさと納税を受け入れた自治体においても、返礼品の仕入れや送付などに係る経費として50%ほどが費消される問題。
損その3は、本来は一般財源として幅広く活用されるべき税金の使途が半額分特定されてしまうこと。
財源流出の問題について、地方交付税で75%が補填されるといった説明を目にしますが、正確には「算入」と言うべきです。
若手と呼ばれていた頃に財政課に5年3か月在籍しました。
当時の国に提出する交付税の算定資料は、全て「手書き」。
ちょっとした厚さの冊子なのですが、これを3部作成しなくてはなりません。
原本を担当者が作り、皆で手分けしてこれを書き写して残りの2部を作成します。
実に大変な作業でした。
なので、「地方交付税で措置する」≠「実額が交付される」ということを皮膚感覚で何となく知っています。
地方交付税で措置する、ということは、膨大な計算式の中の項目の一つに加える、ということでしかありません。
そもそも、不交付団体には交付税措置の恩恵さえないのです。
会計検査院の報告を下敷きにすると、デメリットがメリットを上回っている、と映りますが…
これだけ定着してしまった制度が雲散霧消する状況は、ちょっと考えられません。
仙台市も財源流出組であり、防衛的な意味合いでの取り組み強化は、それなりに必要かな…と感じます。
仲介サイト事業者の一人勝ちは、しばらく続くのでありましょう。
