「親亀こけたら皆こけた」とは1960年代に活躍したナンセンストリオの定番ネタ。
皆さんご存じないでしょうけど。
まさに、これを地でいく事例がありました。
2026年(令和8年)度の介護保険料について、福島県内の複数自治体で、
- 本来より安い介護保険料を算定
- そのまま住民に通知
- 後から「不足分を追加で払ってください」となる
という問題が発生しました。
原因となったのは、各自治体が介護保険料の算定システムを委託していた事業者のシステム設定ミスです。当該事業者も8月4日に事案を公表し、「制度改正に伴うシステム改修」で誤りが生じたと認めています。
話の発端は、令和7年度の税制改正でして、給与所得控除の最低保障額が引き上げられました。
これに伴って、同じ収入の人でも税法上の「所得」が変わり、介護保険料の所得段階が上がってしまう可能性が生じます。
令和8年度については、急激な保険料負担増を抑えるための特例措置が設けられましたが、この特例措置を介護保険システムに反映させる際に設定を誤った、というものです。
この事案の特殊性は、当該事業者のシステムを使用している福島県内の多くの自治体で同様のミスが発生していること。
2026年8月23日現在、少なくとも12自治体で確認されています。
公表していない自治体もあって全容は不明ですが、おそらく「全滅」だったのではないでしょうか。
さて、このことが意味することは一体何なのでしょう?
以前、情報システム改修時における「出口調査のススメ」をお伝えしたことがありました。
システムが出した最終結果を、住民に通知する前に検証するということです。
この事例は、出口調査を多くの自治体が怠っていることの何よりの証左であるような気がします。
当該事業者が公表した再発防止策には「介護保険料階層別毎のサンプリング調査を実施」とありました。
裏返せば、事業者が出口調査をきちんとやらなかった。そのことについて、各自治体でも気がつかなかった。
こういう事例なのです。恐ろしい。
もっとも、令和8年度介護保険料をめぐるシステム・算定関係の事故は、福島県以外の複数県で発生しています。
しかも、ミスの内容は自治体によってまちまち。
察するに、今回の制度改正はかなり分かりにくいところがあるのでしょう。
我が仙台市は果たして…
というのがOBとしての偽らざる気持ちです。
