議会答弁における精神と時の部屋

議会答弁

仙台市議会の第3回定例会。インターネット中継で視聴しています。

前半戦を聴いて、外野席から気付いたことを少々。

 

【答弁における尺の問題】

テレビ番組などの映像制作における用語として「尺」という言葉があります。

映像の時間の長さのことですね。

拙著「公務員 仕事の虎の巻」でも取り上げましたが、答弁には「適切な尺」があるのだと思います。

外野席から耳だけで聴いていて、なおさらそう感じました。

あまりに長い答弁だと、ロジックを耳で追いかけられなくなってしまいます。

担当部局の立場的には、より正確により厳密に、と志向したくなるのは分かります。

が、そこをグッと堪えて、細かな部分をカットできると、「簡にして明な」分かりやすい答弁に仕上がると思います。

 

【答弁スキルの上達のコツ】

これも拙著で一度お伝えしましたが、後で「自己批判の時間」を設けること。

仙台市議会の場合、数日経つと、議会中継の録画映像を視聴できます。

議会中は忙しいでしょうから、後刻、自分の答弁を第三者的に視聴することを勧めます。

 

私の場合、環境局長1年目の第4回定例会の「ある日」を境に、答弁の芸風が一変しています。

デビュー当初の答弁は、元気ハツラツ・オロナミンC的な感じで、ある先輩からは、

「あんだの答弁は元気いいなぁ…」

と揶揄されたくらいです。

しかし、12月議会の時に、あるお方からご助言(ご指示?)をいただき、声のトーンや話す速度を大幅に変えました。

当時の近しい部下から「局長、ずい分と変えましたね!」と言われたくらいですから、第三者的にも変化したのです。

具体的には自分のそれまでの答弁の録画映像を視聴し、ご助言の趣旨を自分なりに消化しつつ、「声のトーンを下げる」「話す速度を2割遅くする」などと作戦を立てました。

 

自らの答弁を録画映像で第三者的に視聴すると、本人が自覚していない癖などを発見出来るものです。

・話し始める時に「アノ」とか「エ~」と必ず口にしている。

・挙手の仕方があまりかっこよくない。

・マイクの位置を気にするあまり、体が斜めになってしまっている。

・再質問を受けると3割早口になってしまう…などなど。

 

ドラゴンボールに「精神と時の部屋」というものがあり、ここに籠ると短時間で戦闘力を上げることが出来ます。

もちろん、孫悟空らは、その部屋の中で1年なり2年なり懸命に修行しているのですけれど。

「議会答弁における精神と時の部屋」

それは、録画映像を真剣に振り返り、真摯に自己批判出来る方の心の中にあるのだと思います。

 

【補論】

9月13日の一般質問における竹中議員の再質問と再々質問は見事でした。

当局の曖昧な答弁にズバリと切り込み、2つの担当部局からそれぞれ一本お取りになりました。

「後で言わされるよりは、先に言った方が10倍よい」

まさに、このことでありましょう。

落ち度のある時は潔くが吉、と思います。

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