小学館のマンガワン問題をご記憶ですが?
第三者委員会の報告書が公表されましたが、あまり話題にならなかったような気がします。
小学館の漫画アプリ「マンガワン」で、性犯罪で有罪となり連載を中止した漫画家を、別名義で別作品の原作者として再起用していたことが発覚しました。
さらに別の性犯罪有罪者の起用も判明し、編集部の対応や確認体制に批判が集中。
社内調査の過程で新たな問題も判明したため、第三者委員会による調査が行われ、8月3日にその結果が公表されました。
小学館には「セクシー田中さん事案」において作家がお亡くなりになるという重い過去があり、マンガワン問題が発覚した当時は、相当の「風速」だったのです。
しかし、第三者委員会の報告書に対する世の中の動きは…
8月3日に106ページの第三者委員会報告書が公表されると、マスコミ各社は一斉にこれを報道。特に「被害女性への人権侵害を助長・加担」「編集部への権限集中」など、個別案件にとどまらない組織的問題が指摘された点が注目されました。
翌4日には小学館が役員26人の報酬返納などの再発防止策を発表しています。
でも、その後、継続的に追及する報道はほとんどありませんでした。
8月19日に東京新聞が、報告書公表だけで幕引きとしていいのか、といったトーンの記事を載せたくらいです。
私、結果的に、小学館の作戦勝ちだったような気がします。
今回のポイントは、記者会見を開かなかったことにあると思います。
マスコミとしては、公表された報告書やコメント以外に「材料」が無いため、追加の記事を書くことができませんでした。
「逃げるが勝ち」ということでしょうか。
どこかの知事さんがセクハラ問題でさっさと辞任し、以後、弁護士を通じたコメントしか出さなかったために、マスコミへの露出がほとんど無かったケースと似ています。
ポイントの第二は、記者会見を開かないことに対する「外圧」が無かったこと。
小学館は株式会社ではあるのですが、株式を上場していません。この点では、フジテレビなどとは状況が大いに異なるのでしょう。
また、私の調べた限りでは、先にご紹介した東京新聞以外には、小学館の姿勢を疑問視する論調の報道も見当たりませんでした。
ポイントの第三は、徹頭徹尾お詫びに徹する姿勢を貫いた、ということ。
「セクシー田中さん事案」では、お詫びのコメントが二転三転し、挙句は、本社とは別に編集部のコメントが公表されるという、異常な事態に至りました。
その点、今回は姿勢にブレがありません。
「失敗に学んだ」ということでしょう。
「人の噂も七十五日」と言いますが、今回の小学館の対応はこれを地で行くものだったように思えます。
春先に事案が露見し、お詫びのコメントを出して、第三者委員会の設置を公表して以降は無言を貫きました。
調査報告書が公表された後の対応も同様です。
計算してのことならば、いやいや大したものだと感心させられます。
