相場との折り合い

不適切な事務処理
写真提供:宮城県観光戦略課

ある自治体で、講演会の講師謝礼を水増ししていた事案が報じられました。

55分間の講演に対して10万円。

「相場」に合わせた金額なのだそうです。

 

この自治体では、講師への謝礼の基準があり、1時間につき〇千円とか1万〇千円といったものです。

「若手」と呼ばれていた頃に職員研修所に在籍したことがありまして、そう言えばそんな感じの基準があったように記憶しています。

この自治体の場合、講師が講演の準備に要した時間も謝礼の対象と出来るのですが…

報道によると、10万円の謝金を予め提示し、提示した謝金に合わせて準備時間を加算。何と「1000分」でした。

 

さて、この事案の「話の根っこ」ですが。

1時間当たりなんぼ、という自治体のルールにとらわれ過ぎてしまったことにあるのではないでしょうか?

記事には、大学教授や講師の方々に支払われた金額も載っていますが、それらは「謝金単価×(講演時間+準備時間)」の計算式で説明可能なものでした。

1時間の講演に対して全く準備をしないという方もおられるかもしれませんけど、普通は何かしらの準備作業が発生します。

 

しかし、1時間の講演で10万円となるとこの計算式ではなかなか対応が難しくなります。

後出しジャンケンでは、ここが思案のしどころでした。

世の中の相場に対して役所の基準が合わない、ということはあり得ること。

一つの考え方としてお示ししますが、その場合、

「基準に拠らず、この金額としてよろしいか」

といった形で単行決裁を取る、という方法もあったような気がします。

 

もちろん、基準に拠り難い特段の事情をきちんと説明しなければならず、それなりにハードルはあります。

でも、1時間で10万円という謝金が問題視された時のことを考えるとどうでしょう?

「1000分」などという水増しの数字で説明するよりは、「相場に照らして妥当」というロジックを採用しておいた方が対応しやすいと思います。

 

私の場合、公文書開示請求でエライ目に遭った経験があるので、「万一開示請求があった時でも持ちこたえられる」ことを念頭に置いて、仕事を進めるようにしていました。

まぁ、一番いいのは基準の範囲内で説明できるように人選することですけど。

 

*参考文献

「相場観」の謝礼、講演55分に10万円 福岡県が実態ない時間加算. 朝日新聞. 2026-05-18,朝日新聞デジタル, https://www.asahi.com/articles/ASV5L3J1WV5LTIPE01FM.html, (参照2026-05-24)

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