その昔、「怪獣総進撃」という映画がありました。
東宝が「それまでの怪獣映画の総決算」と位置づけ、ゴジラを筆頭に11大怪獣が富士山麓に集結してキングギドラと対決するという作品です。
その「怪獣総進撃」もかくや!という恐るべき事案が報じられました。
これは、令和7年度・令和8年度のがん検診について、実施要綱の改正が適正に行われていなかったため、本来無料だった70歳以上の人から検診料を徴収していた、というもの。
朝日新聞の記事によると、この自治体では、従前、70歳以上の市民のがん検診については負担免除としていたのですが、2025年度からは2割負担を求めることにしました。
元々あった実施要綱の文書(おそらくはWordなどで作成されたもの)を「編集」して新たな要綱を作成しましたが、その際、削除すべきだった70歳以上の市民への負担免除の項目を「消し忘れてしまった」のだそうです。
この要綱は、市長までの決裁を受けましたが、どなたも消し忘れに気づくことはありませんでした。
担当課では、適正に要綱が改正されていると思い込み、2025年度以降、70歳以上の市民から検診料を徴収し続けていたのだそうです。
拙著「公務員仕事の虎の巻」シリーズでお伝えした事務処理のミスの注意事項がてんこ盛りの事案と言えましょう。
【ああせい校正】
校正作業の究極奥義は、「虚心坦懐に読書」することにあります。
これは印刷物に限らず、条例、規則、要綱などの改正や議会などに提出する資料など、幅広く心がけるべきことです。
【ダブルチェックをチェックする】
「これはダブルチェックをしてありますか?」「はいやってます」「では押印(ポン!)」
という会話ほど危ういことはありません。
どのようなダブルチェックをしたのか、決裁する方々は部下に具体に語らせるといいと思います。
「ダブルチェックは角度を変えて」もお願いしたいところです。
【三角ディフェンスのススメ】
個々の業務を実務的にチェックできるのは課長までの段階。
担当者・係長・課長による「三角ディフェンス」の重要性を改めて確認した方がいいと思います。
そこから先は、何個ハンコが押されていても、チェックが働きません。
【思い込みの罠】
〇〇だから大丈夫、という「思い込みの罠」。
今回は、「要綱は適正に改正されているから大丈夫」との思い込みでした。
2年間、誰も仕事の根拠となる要綱を読んでいなかったのです。
まだまだ「総進撃」は続きますが、紙幅が付きました…
皆さん、どうぞ「他山の石」としてください。
がん検診「70歳以上無料」消し忘れ 改正したつもりが誤って徴収. 朝日新聞. 2026-09-10,朝日新聞デジタル, https://www.asahi.com/articles/ASV9B354LV9BUJUB00TM.html, (参照2026-09-11)
