事務ミス防止の研修において、私は「他山の石活動のススメ」というトピックをよく取り上げます。
官民を問わず、他の事業者におけるミスや不祥事は、自らの組織のチェック機能を高めるための格好の教材です。
漫然と「対岸の火事」を決め込むのではなく。明日は我が身と心得て「他山の石」として学ぶが吉。
こういうお話です。
さて、他山の石として最も役に立つ教材…一体何でありましょうか?
「身内のミス」
これが一番の教材です。
現役時代、何かしらの不祥事が発生すると「綱紀粛正」の通達文書がすぐに発出されました。
でも、どのような事案が発生し、どこが具体的によくなかったのか、どこを改めるべきかがまるで書いていないので、(意味がないなー)とずっと思っていました。
当該不祥事を具体に取り上げて注意喚起すべきだ、との意見具申もしましたが…
不祥事を起こした職員や職場への配慮を理由に採用されることはありませんでした。
ところがですね、見つけてしまったのです。
これであります。
何と仙台市のHPに掲載されています。
内容は、過去の不適切な事務処理の概要や経緯、主な要因などが分かりやすくまとめられたもの。
私が感心したのは、「この事例から学ぶリスク対応策見直しのための観点」という項目。
各事案の「話の根っこ」みたいな部分を的確に分析し、他の業務においても応用可能なレベルまで「学び」を普遍化しています。
例えば、「心身障害者医療費助成(後期高齢者医療制度)における助成金の支給誤り」という事案。
これは、平成20年度に構築したシステムの仕様が法令等に合致していなかったが、新規システムを開発する令和4年度まで誰も誤りに気づいていなかった、というもの。
私の感覚からすると、この事案の「話の根っこ」の一つには、歴代の担当者が誰もシステムの仕様を確認してこなかったところがあります。
これ、なかなか総括されることの無いポイントなのですが…
この事例集では、
「日頃から所管システムの仕様等について主体的に理解を深めるとともに、少しでも疑問等が感じられる場合は、速やかに確認しているか。」
という形できちんと指摘がなされています。
情報システムを所管する全ての部署に水平展開可能な学びとしているのです。
通達文書一辺倒だったかつての姿勢からすると実に画期的な取り組みと感じました。
でも、この事例集の作成は一度きり。
その前後の年度の資料の中には見当たりません。
勿体ないな、と思いましたー
